なんちゅータイトルでしょうか。いや、しかし、家庭内における地位は重要です。
日々の生活はもとより深く人生観にも影響してまいります。
とはいえわたくし、家庭内カースト制度を是認しているわけではございません…。
【ローカルジャパニーズの謎①】日系男子が家庭内の地位を上げるには、の巻
アロハ・カコウ。いいかおりです。
ハワイがこんなにも日本人観光客ウェルカム! な風土である理由のひとつが、日系の人々の存在であることはまちがいありません。
(現在の日系社会を築き上げるために自らをも犠牲にした第442連隊のエピソードはこちら)

自分たちと風貌を同じくする日系の人々、耳に洩れ聞こえてくる日本の言葉、ピンポイントではあるけれど脈々と受け継がれている日本の文化…。
そうしたものが、風にそよぐヤシの木や、まぶしい太陽、青く光る海の向こうに透けて見えるからこそ、日本人にとってこんなにもハワイが居心地がよいのではないかと、わたくし、考察するわけでございます。

ところでハワイでは、地元に暮らす日系アメリカ人(=祖先が日本国からの移民)をジャパニーズアメリカン(Japanese American)とはいいません。
ローカルジャパニーズ(Local Japanese)と呼ぶのが一般的です。
ローカルジャパニーズも3世以降になると、日本語を解しないことが多く、なんといいますか、「思いきりアメリカ~ン♪」。(わからないヒトはお父さんかお母さんに訊いてみてね)よりスッキリとアメリカナイズされています。
アメリカ本土出身の欧米人男性と結婚し、ハワイのコンドミニアムに越してきた日本人女性アヤカさん(仮名・32歳)。
お隣のユニット(部屋)に暮らすローカルジャパニーズのジャニスさん(仮名・推定70歳)と仲良くなりました。ジャニスさんは2世で、英語の単語まじりではあるけれど、日本語も話せます。
ある日ジャニスさんがアヤカさんに、「作り過ぎちゃったの」と、バターモチをタッパーウェアに入れておすそわけ。
アヤカさんは翌日、空っぽでお返しするのもなんだか…と思い、家にあった戴きもののマフィンを詰めて、タッパーウェアをジャニスさんにお返ししました。

タッパーウェアの中身に気づいたジャニスさんは、
「コレ、コレなのよ!」
と、大きくうなずき、アヤカさんに熱く語り始めたのでございます。
――ウチの息子は同じローカルジャパニーズの3世と結婚したんだけど、夫と私としては、アナタのような純粋な日本人と結婚してほしかったのよ、日本出身の日本人。
嫁は明るくて、悪いコじゃないんだけど、純粋な日本人みたいな心遣いってものがないのよ。
たとえば嫁からのタッパーウェアはいつも空っぽで返ってくるのよ!
日本人なら中に何か入れてお返しするのが当たり前でしょう、アナタのように!!
そういう気遣いがない。
知ってる? ローカルジャパニーズの家庭では純粋なジャパニーズガールと結婚した息子は、ファミリー内での地位が上がるのよ。
私の従姉の息子は、転勤先の東京で知り合ったジャパニーズガールと結婚して、ハワイに連れて帰ってきたの。従姉夫婦は鼻高々で、その息子は一族から「よくやった」って認められて。
一気に地位が上がったわ――

「あの…いまどきタッパーウェアを空で返すジャパニーズガールも多いんじゃないかと…(そのほうが多数じゃないか!?)。私もたまたま家にマフィンがあっただけ…」とは、とても言い出せなかったアヤカさん。
年配のジャニスさんの気持ちを傷つけたくなかったのです。
まさしくこういうところが、ジャニスさんのいう「ジャパニーズガールの心遣い」なんでしょうね…おそらく。
facebookでコメントする