前回は、ハワイへやってきたキリスト教について、ちょろっと書かせていただきました。
ここからハワイは激動の時代を迎えます。
前回、ハワイ王国がキリスト教を受け入れた話を書きましたが、
カメハメハ2世は入信していなかったそうです。
キリスト教信者にはなってなかったんですね。
奥さんも5人ほどいらっしゃいました。
こういうことからも、
カアフマヌはやっぱりキリスト教を利用してたんじゃないか?と思ってしまいます。
※これはカアフマヌを描いた絵です。
そして、2世夫婦がイギリスを尋ねます。
あ、一番位の高い奥さんと一緒に行かれたみたいです。
なんでイギリスを?と思ってしまいますが、当時の状況を見たらわかります。
イギリス=王国
フランス=共和制と王制がいったりきたり
アメリカ=共和制
ロシア=王国
世界中に植民地を持ってるイギリス王国をマネしたいというか、
参考にしたい、ついていきたい、と思ってたんでしょうね。
が、2世夫妻は、イギリスで麻疹(はしかのようなもの)にかかり、
あっという間に亡くなってしまいます。
カメハメハ2世というと、
イギリスで亡くなってしまった話だけ語られたりしますが、
彼はキリスト教に入信していなかったこと、一夫多妻制のままだったこと、
それを忘れてはいけません。
その頃のハワイに話を戻します。
当時のハワイの首都はマウイ島のラハイナにありました。
港町です。
どうして、この町やったかというと……
世界の捕鯨船がこの町に集まってきていたから。
※写真はビショップ博物館のメインホールです。
この時代、まだ石油が採掘されていなくて、
人々はクジラのあぶらを灯油として使っていました。
そのほか、機械のオイルとか。
信じられないですけど、
オイルのためだけに巨大なクジラさんを殺していました。
捕鯨船が初めてハワイへやってきたのは、
まだカメハメハ1世が生きていたころやそうです。
そして、あっという間に、ハワイは、捕鯨船の拠点となりました。
のちに中東諸国がガソリンで大儲けするように、
このクジラ漁の拠点となるだけで、ハワイは大儲けします。
イギリス、フランス、アメリカ、ロシアの捕鯨船がハワイへやってきます。
今はもうオープンしていませんが、
アロハタワーの近くに、マリタイムセンターというミュージアムがありました。
(写真の建物です)
ビショップミュージアムの持ち物で、海に関する歴史が展示されていました。
ここに、捕鯨の歴史とか展示してあったんです。
日本の捕鯨を非難する動きとかありますけど、
当時の捕鯨船は、あぶらを取るためだけにクジラを殺していました。
ほんまに、信じられない話です。
1832年、摂政のカアフマヌが亡くなります。
カメハメハ3世は1813年生まれなので…..
ちょうど19歳の頃ですね。
カメハメハ3世はいろいろ動き始めます。
1833年 摂政を解任します。
そして、宣教師たちが禁止した古いハワイの習慣を復活させています。
この時、一時的にフラも復活したそうです。
そして、19歳の妹と結婚します。
※上の絵、右が19歳の妹ナヒエナエナ
宣教師たちが残した文章では、
ここでカメハメハ三世は堕落したことになっています。
じゃなくて、ハワイ王国は、キリスト教に入信しきっていなかったのでは?
と思ってしまいます。
1835年
再びびフラは禁止され、宗教はキリスト教になりました。
カメハメハ三世も更生したことになっています。
理由を詳しく書いたものが残ってないので何とも言えませんが、
要は宣教師たちが、がんばったみたいです。
1835年といえば、サトウキビプラテーションが始まった年です。
プロテスタントに戻ったとたん、
カメハメハ三世はカソリック拒絶令を発行しました。
こういういう話を聞くと、王朝に入り込んでいたプロテスタント系宣教師団たちの意思のような気がしないでもないです。やっぱり宣教師たちが、がんばったんでしょうね。ここで一気にカソリック勢力を一掃しようと思ったんではないでしょうか。
が、この発令はフランス王国を怒らせてしまいました。
・当時のフランス領土/この絵は、Wikipedia からお借りしています。
1839年 フランスのフリゲート艦がやってきました。
そして、5つの要求を提示しました。要求に応じない場合は戦争である、というのです。
5つの要求は以下のとおりです。
1.カソリックの信仰の自由
2.カソリック信仰を宣言したため投獄されていたカトリック信者たちの釈放
3.政府がカソリック教会を建てる土地を提供すること
4.ハワイの王が将来よい行ないをするしるしとして、$2万以上を引き渡すこと
5.フリゲート艦アルテミズ号を歓迎する意味で、21発の祝砲を撃つこと
ううむ、3以下は、ようわからん内容です。
ハワイ王国は、フランスとやりあうほどの武力を持っていません。
しょうがないので、カメハメハ3世は上記の要求を受け入れました。
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