ハワイスクープ


重要なお知らせ
【2021年12月3日】
諸事情により一時休載いたします。

ABCストアPRディレクター ニール・Y・イシダさんが語る、の巻

ビジネストーク! のハズが、なぜか第442連隊のお話に…。
アロハ・カコウ。いいかおりです。今回は、
ハワイいろいろ捜索隊 ABCストアは、ワイキキに何軒あるのか? 全部見てきました。で、クドイほどに惜しみなくご紹介した、ハワイの名物コンビニチェーン、ABCストア。
そのカカアコ本社で、PRディレクターのニールさんご自身とABCストアについてうかがいました。

ニールさん(左)とスペシャルサービスマネージャーのキャシー・アン・コジマさん。ABCストア本社前で

実は、
・旅行業界がスロー気味な昨今、ABCストアの売り上げはどんな感じですか~
とか、
・日本人観光客向けのビジネス戦略は~
なんていう真面目な質問にもお答えいただいたんですが、ははは…HIscoop! ってそんなサイトでしたっけ?

というわけで、ここは一気にグイグイ、ニールさんの人間性メインに迫りたいと思います。

さぁ、語っていただきましょう!

whiteline

【ニールさんのお話】
38年ですよ…まもなく38年が過ぎて、(2014年)6月からは、ABCストアでの39年目が始まります。

私がハワイ大学を卒業したのは1975年。卒業して4か月後に、ABCストアに就職しました。
どうしてかって? 大学を卒業したら仕事が必要ですからね(笑)。
本当は大学院へ行こうと計画していたんですが。ABCストアで働き始めてすぐ、
ここが特別な場所だと感じたんです。

ボスからどんどん仕事を与えられてね…ボスというのはミスターK(創業者シドニー・コササ氏)のことです。まぁ仕事上で成功するためにはプレッシャーが必要ですが(笑)。
ミスターKがわざわざ仕事場まで訪ねてきて、「やってるか?」と。気にかけてくれる。
新店舗をオープンさせる役目を任じられて、オープンしたら昇進させてくれた。

大学院へ進む計画はキャンセルして、腰を落ち着けました。まずは人事部に配属され、その後PRへ移ったんです。

コササ・ファミリーの写真に囲まれてお話してくださったニールさんとキャシーさん

【ABCストアの創業者ミスターK(シドニー・コササ氏)について】
ミスターKは日系2世。父親モリタと母親ミツエは岡山県から移民した1世だ。
1917年、モリタとミツエはカイムキ地区の10thアベニューにグローサリーストア(食料雑貨店)をオープンした。これがABCストアの原点である。

ミツエは非常に教育のある家庭の出で、明確なビジョンを持った人物だった。
1919年生まれのミスターKは、「グローサリーストアよりもドラッグストアのほうが将来性がある」というミツエの助言によって、薬剤師の資格を取得し、1949年、カイムキ地区のワイアラエ・アベニューに「カイムキ・ファーマシー(薬局)」を開く。
そして15年後の1964年、ワイキキに最初のABCストアをオープンすることになる。

ミスターKは生涯にわたり、ミツエを母親としてもビジネスウーマンとしても尊敬していた。

ミスターKは、第二次世界大戦中にカリフォルニア州サクラメントの集合センター(日系アメリカ人強制収容所)に収容され、そこで知り合ったミニーと結婚するが、ミニーもまた大変聡明な女性で、公私にわたりミスターKを支え、ABCストアの成長に大きくかかわることになる。

現在はミスターKとミニーの息子であるポール・コササ氏がABCストアの社長兼CEOを務める。ABCストアはコササ家のファミリービジネスなのだ。

HFIA(Hawaii Food Industry Association ハワイ食品業界協会)によるYouTubeビデオを観ていただけると、コササ・ファミリーのことがよくわかりますよ、とニールさん。(ニールさんご自身も出演なさっています!)

whiteline

【ニールさんのお話】

――(HIscoop)ABCストアは業績がふるわないときも決してレイオフはせず、
また賃金カットが実施される際はマネジメントを対象に行われるそうですね。
とても日本的な経営方法だと思います。

コササ・ファミリーは社員へ家族のように接するんですよ。そこがABCストアが
成功した秘訣だと思いますね。

――(HIscoop)そこがほかのお店とは違う?
いつもABCストアにいますからね。ほかのお店へ行く機会がないのでそれは
わかりませんが(笑)。
今朝も、早期退職制度でリタイアした、元店舗マネージャーたちが集まって、このオフィスを訪問してくれたところです。
皆、正装してね、自分たちで出し合ったコササ財団への寄付金を届けにきてくれました。
コササ財団は、教育や医療を支援するチャリティー財団です。
たとえ辞めてもABCストアに強い愛着を持ち続けてくれる。
社員はみな、オハナ(ハワイ語の「ファミリー」)なんですよ。
彼らとは一緒にゴルフをやる仲でもあります(笑)。

――(HIscoop)ニールさんオススメの店舗は?
全部の店舗がおすすめですが(笑)、ルワーズ・ストリートのインペリアル・
オブ・ワイキキ(ホテル)1階の店舗をぜひ一度ご覧になってください。
改装された広い店内には、ワイキキ店舗の中で唯一の「アイランド・デリ」が
あるんですよ。

店舗番号38。ルワーズ・ストリート店

寿司やむすび、そうめん、ソバ…本当においしいですよ。
ローカルフードを試してみるのにも最適じゃないかな。ロコモコやプライムリブ、フライドチキン、サラダラップ。
サンドイッチや朝食もいけますよ。

「experience fresh」(新鮮さを味わって)がキャッチコピーのアイランド・デリ
店内奥にはスープバーやサンドイッチバーが
店内には電子レンジがあるので、温めたものを持ち帰って、ホテルのお部屋でいただくことも可能

ワイキキ店舗のデリは、すべてカカアコにあるABCストアの専用キッチンで作っています。
キッチンは無休なので、毎日フレッシュなデリを提供できます。

デリに特化した店舗はほかに、オアフ島西部のリゾート地コオリナや、マウイ島のカパルア、キヘイ、ホノコワイ、ハワイ島のワイコロアのクイーンズ・マーケットプレイスにもあるんですよ。
今後も新たな「アイランド・デリ」をオープンさせていきたいと思っています。
私たちが買収したカウアイ島のココナッツ・マーケットプレイスにも、いずれ新たな形のABCストアを登場させたいですね。

ABCストア直営キッチンの製造を示す「ISLAND DELI」マーク

whiteline

――(HIscoop)ニールさんのご出身は。
私は3世。父方は広島、母方は山口からやってきた移民です。
父はマウイ島で生まれてね。母はホノルル出身です。祖父母には会ったことがありません。
伯父たちはアメリカ陸軍第442連隊(戦闘団)*の兵士でした。
*第二次世界大戦中の日系オンリー部隊。士官未満は全員日系アメリカ人で編成された。
兵士たちはアメリカ国家への忠誠を示すべく、「Go for Broke(当たってくだけろ)」を合言葉に勇敢で壮絶な戦いを繰り広げ、困難とされたテキサス大隊211名の救出を成功させる。
が、211名を救出するため442連隊の216名が戦死。600名以上が重傷を負った。アメリカ陸軍史上もっとも多くの勲章を受けた部隊。

第442連隊に入隊した3人の伯父のうち、2人は帰ってきましたが、1名はフランスでテキサス大隊を救出する際に戦死しました。
30歳でした…ゴロー・マツモトが名前です。

終戦後、戻ってきた彼らが、社会を変えてくれました。日系アメリカ人の地位は大きく変わりました。
彼らは日系アメリカ人の未来のために、命をかけて戦ってくれたのです。

whiteline

【ニールさんにうかがったABCストア豆知識】

①ABCストアは全部で何店舗あるの?
2014年5月現在、ハワイ、ラスベガス、グアム、サイパン店を含む全77店舗。

②一番売り上げの大きい店舗は?
ルワーズ・ストリートにある店舗(ザ・インペリアル・ワイキキ内1階)。

フレッシュなカットフルーツがあるのも嬉しいルワーズ・ストリート店

③一番売り上げの多い観光客は?
日本人観光客

④日本人観光客に人気の商品は?
マカデミアナッツチョコレート、コスメ(ジョンマスターズ、メイベリン、レブロン)、メイドインUSAアイテム、ABCストア限定アイテムなど。

ルワーズ・ストリート店はコスメも充実
MADE IN HAWAII ――せっかくハワイに来たら、正真正銘のハワイ産も手に入れたい!
絶対チェックしたいABCストア限定アイテム

⑤アメリカ人観光客に人気の商品は?
マカデミアナッツチョコレート、マカデミアナッツ、ボトルウォーターなど。

ハワイ土産としてはベタですが…やっぱり美味しいマカデミアナッツチョコ!

⑥オススメ品は?
ワイン。過去5年ワインの仕入れに力を入れ、高級ワイン、評価の高いワインなど充実のワインセレクションを展開中。

「ルワーズ・ストリート店のワインセレクションはまるでライブラリーのようですよ」と、キャシーさん

⑦日本進出の予定は?
いまのところありません。(残念!by HIscoop)

facebookでコメントする

Return Top