はなまどりん「ヒルトンの花火ってどこで作ってるんですか?」
紀伊花火職人「ヒルトンの花火について知りたい。
なんでもいいのでいろいろ教えてください」
ヒルトン・ハワイアン・ビレッジでは、
毎週金曜日 19:45 に花火が打ち上げられます。
へなしゅんは、ハワイに15年も住んでいながら、
花火を時々見に行きながら、取材をしたことがありませんでした。
これは行かねばなるまい!
というわけで、金曜日の 16:00 にヒルトン前のビーチへやってきました。
作業開始とともに、ビーチ前をトラックがロープを通しながらゆっくりと走りました。
まずは立ち入り禁止区域を作るのですね。
そして、トラックから木製パレットのような物体が運び出されました。
なんだあれは?
木製パレット?は組み合わせられ…
花火を打ち上げる砲になるのでありました。
これが5つ造られます。
いいかおり「花火業界では、砲、じゃなくて、筒、って呼ぶらしいよ」
筒の集合体なわけですか。なるほど。
ハワイスクープは特別に許可をいただいて中へ入ることができましたが、
本当はこんなに近づくことはできません。
ちょっと感動してしまいました。
パレット5つに職人5人。
これがリゾート地なんかでなければ、もっと少ない職人で、
もう少し早い時間から作業をすることができるそうです。
短時間で仕上げるために、
花火の打ち上げパレット集団ひとつに1人の職人をつけるのですね。
花火の火薬です。
これひとつがバーンと爆発して、夜空に大きな火の花を咲かせます。
確かにこんな危険なものを、ビーチで爆発させるわけですから、
一般人を近づかせるわけにはいきません。
作業が始まってしばらくして、
職人といいながら、古くからの職人技だけでなく、
けっこう最新技術が駆使されていることに気がつきました。
たとえば、花火の着火にはエレクトロニクスが駆使されていました。
花火の着火は電子制御ですし…
大本の花火を管理する場所に置いてあるのも、電子機器なのでありました。
16:00 に作業を開始して、
16:40 に第一準備段階終了しました。
一息ついたところで写真を撮らせていただくことになりました。
バーン!
これが花火チームです。
なんと、右から2番目にいる女性がボス、ステファニー。
ハワイ島ヒロの出身で、
Hawaii Explosives & Phrotechnics,Inc
の代表です。
Hawaii Explosives & Phrotechnics,Incは、
ハワイ島の日系人、ジョンツツミが起こした会社なんやそうです。
それを、ステファニーのお父さんが買い取ったのが1991年。
ステファニーは2代目です。
父親の仕事をついで花火職人になったんですね。
ステキな娘さんです。
ちなみに日本の花火は大好きなんですけど、実際に生で見た事はないそうです。
いつか見てほしいですね。
ここからの準備は1時間以上かかり、
スイッチを押すだけになった頃には、18:00 を越えていました。
あとは太陽が沈んで、19:45 になるのを待つだけ。
このスイッチを押すだけでいいそうです。
カチっと押したら、ヒューン!バーン!と打ち上がるわけです。
どんな気分なんでしょうね。
ではここで、写真を眺めながらステファニーさんへのインタビューをどうぞ。
インタビュー担当は、いいかおりです。
いいかおり「ジョン・ツツミさんが、
自らの花火業の片腕となれる火薬取扱者の資格を有する人材を探していて、
ステファニーさんのお父様にたどりついた。
そこでお父様が花火ビジネスに入り、
ツツミさんの引退に際して会社を譲り受けたわけですね。
それを今度はステファニーさんが受け継いだ」
ステファニー「子供の頃から父と一緒に現場へ行って、
父が花火を打ち上げるのを見るのが大好きだったんです。
だからごく自然にこのビジネスへ入りました。
父とはとても仲が良くて、花火のほかにも、
ATV(四輪バギー)&乗馬アクティビティや、
バケーションレンタルのビジネスも受け継いでいるんですよ」
いいかおり「お父様やステファニーさんは、
このビジネスに入る以前から、花火に興味を持っていましたか?」
ステファニー「ハワイで花火は、
独立記念日や新年を迎える大晦日といった特別な日の一部。
花火の美しい色彩やスリリングな音、そしてその音がこだましていく様子……
父と私を含め、ハワイの人たちは花火が大好き。
ですから、ミスター・ツツミが父に花火ビジネスを学ばないか、
と言ってきてくれたとき、父はそのオファーを喜んでお受けしたわけなんです」
いいかおり「ステファニーさんも花火を打ち上げるんですか?」
ステファニー「私、子供の頃からホントに花火を見るのが大好き。
でも打ち上げるのは怖くてとても無理!(笑)」
いいかおり「花火ビジネスを続けていく上で難しい点は?」
ステファニー「規制が増える中で、プライスをリーズナブルに保ち続けることですね」
いいかおり「ステファニーさんが考える花火ビジネスのゴールとは?」
ステファニー「私たちのゴールは、
ハワイの空を美しく――安全に――彩り続けることです。
これから何代にもわたって!」
いいかおり「これまで打ち上げた中で、もっとも思い出深い花火は?」
ステファニー「どのショー(花火)にも思い出や思い入れがありますね。
ヒルトンハワイアンビレッジでのショーについては、とても光栄に思っています。
私がまだとても若い頃から現在まで、
これだけの長きにわたって続いているわけですから。
ヒルトンハワイアンビレッジは、
私が初めて家族でバケーションを過ごした場所でもあるんですよ」
いいかおり「お子さんはいらっしゃいますか?
そのお子さんも花火ビジネスに興味をお持ちですか?」
ステファニー「息子が1人います。
彼もすっかりこのビジネスの一員のようになっています。
いつかおそらく、この会社になくてはならない存在になるでしょう!(笑)」
時間が来ました。
打ち上げ前のビーチは立ち入り禁止になっています。
そして、19:45
ヒルトンの花火は、高度がやや低いです。
そのために、炸裂のたびに振動が体をつつみます。
大迫力なんです。
これは、写真では伝わらないだろう、ということで、動画を撮ってきました。
技術者なべ(旧チャランボなべ)が、
カメラ付きの小さなプロペラ機を飛ばしてくれました。
どうぞ▼
毎週金曜日、19:45 ヒルトン前のビーチです。
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